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G8リソース・ブック『サバイバル・キット 国際保健とG8』

はじめに

: なぜG8に取り組むのか〜G8諸国の市民として〜

第2部

: G8は保健に関してどんな約束をしてきたのか

おわりに

: G8に関する市民のInstitutional Memory をつくるために

資料編

第3部:G8とHIV/AIDS・国際保健ガイドブック

9.G8サミットに向けたプロセス:TICAD・後期(5〜6月)

  1. 概観
  2. G8議長国首脳と国際NGOの会合
  3. G8サミットに向けた最終局面

1概観

この時期は、G8本番までわずかとなり、主要課題に関するG8の方向性も煮詰まってくる頃である。この時期になると、G8コミュニケや関連成果文書などのドラフトもほぼ出そろう。また、各課題に関するG8各国の政策の違いなどが鮮明になり、各国は自らの立場を押し通すため、様々な駆け引きを行使する。また、それぞれの主要課題について、各国が自らの国家イメージやビジョンに基づいて「目玉」となりうる政策を持ち出し、なんとか他国を説得しようと様々な手法を用いて努力する、といった状況も生じる。

市民社会も、こうした駆け引きと無縁ではあり得ない。一部の国は、市民社会の広報能力を活用して、自国の個別政策に関する市民社会の支持を取り付け、それをもって対立国への圧力とするといった手法を活用したり、また、対立国の態度について市民社会にリークして批判させるといったことを展開することもある。市民社会は、こうした働きかけに耳を貸し、情報を得つつ、自らは独立して市民社会の立場からアドボカシーを行っていくことが必要である。

G8前には最後のシェルパ会合が開催され、G8成果文書のドラフトについて、資金のコミットメントなど最終的な調整を行う。しかし、これらの調整はシェルパ会合だけでは決定しきれないものも多く、そうしたものについては、最終的に首脳会合に委ねられる。

この時期には、市民社会として継続して取り組んできた人々には疲労が蓄積される頃であるが、ゴールも見える時期なので、もう少し頑張ろう。

2G8議長国首脳と国際NGOの会合

a) G8議長国首脳と国際NGOの会合とは

Civil G8対話以外の、市民社会とG8との対話の場として、ここ数年開催されているのが、国際NGOとG8議長国の首脳との会合である。これは、気候変動、MDGsといった地球規模課題について取り組んでいる有力な国際NGOが、G8議長国首脳とじっくりコミュニケーションをとることを趣旨としている。この対話会合も2006年のサンクト・ペテルブルグサミットから生まれ、昨年のドイツのサミットで洗練、定式化された。

b) 日本での当該会合

3G8サミットに向けた最終局面

G8サミットに向けた最終局面において、「洞爺湖行動指針」の内容をめぐるG8各国の思惑が大きく見え始めた。この対立に関して、G8NGOフォーラム・保健医療ワーキング・グループは各国の市民社会と積極的に連携し、「行動指針」の内容をレベルアップするべく取り組みを行った。
(本書資料編 「資料11」「資料12」参照)

「洞爺湖行動指針」に関するG8各国の意見対立は複雑に錯綜したものであった。これについては、第1部3(3)で触れたとおりである。保健医療ワーキング・グループ、および(特活)アフリカ日本協議会/(特活)エイズ&ソサエティ研究会議は、これに対して、具体的に以下のような取り組みを行った。

本年6月10-11日にニューヨークで開催された「国連HIV/AIDS特別総会ハイレベル会合」の翌日、オープン・ソサエティ・インスティチュート財団(OSI)と共催で、「G8に向けたHIV/AIDS・国際保健戦略会議」を開催。ここで、各国政府が「洞爺湖行動指針」に対してどのような立場をとっているかを共有し、各国の市民社会に、各国の保健専門家およびシェルパと会合を持つように呼びかけた。また、G8 各国の市民社会に、洞爺湖行動指針の内容の前進に向けて具体的な行動を呼びかけた。
(本書資料編 「資料13」参照

また、この会議で、G8諸国政府に対する保健医療ワーキング・グループの最終要求書である「私たちはもう待てない」の文章を確定。この声明は、34カ国・110団体の賛同を得てG8各国首脳に送付された。
(本書資料編 「資料14」参照

一方、保健医療ワーキング・グループに参加しているオックスファム、ワールド・ビジョンなど国際NGOも、各組織のネットワークを活かして、各国の政府に対して様々な働きかけを行った。

一方、6月29日、英国フィナンシャル・タイムズ紙は、G8サミットの首脳宣言において、グレンイーグルズ公約である、2010年までのアフリカ援助年間「250億ドル」増額、および「2010年までの」HIV/AIDS普遍的アクセス実現に関する具体的な数値目標や期限が明記されていないことを暴露。
(これに関する紹介記事:http://www.medicalnewstoday.com/articles/113644.php

これについては、HIV/AIDSや国際保健に取り組むNGO、また、開発全般に取り組むNGOが声明などを出して抗議、また、各国政府に対して様々な働きかけを行った。G8NGOフォーラムも、外務省に対して、数値目標をきちんと盛り込むように要望。その結果、これらの数値や期限はなんとか、サミット首脳宣言に盛り込まれることになった。

G8各国の思惑の違いや対立のうち、いくつかの課題はサミット以前に解消されたが、たとえばハイリゲンダム600億ドル公約の拠出期間など、重要な課題について、対立はサミット本会議に持ち越されることになった。

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