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G8リソース・ブック『サバイバル・キット 国際保健とG8』

はじめに

: なぜG8に取り組むのか〜G8諸国の市民として〜

第2部

: G8は保健に関してどんな約束をしてきたのか

おわりに

: G8に関する市民のInstitutional Memory をつくるために

資料編

第1部:G8北海道・洞爺湖サミットの国際保健上の成果

2.その他の課題では十分な成果なし

その他の国際保健課題に関して、洞爺湖サミットでは市民社会の期待にこたえられるほどの成果は達成されず、市民社会としては失望を禁じえなかった。

洞爺湖サミットの保健にかかわる成果文書は、以下の3つである。

  1. G8 指導者宣言(コミュニケ):
    「開発・アフリカ」の第45-46段落(2ページ)
    ウェブ:http://www.g8summit.go.jp/doc/doc080714_ka.html
  2. 洞爺湖国際保健行動指針:
    サミットに向けた政策作りのプロセスの中で、国際保健分野についてG8の「保健専門家」が会合を開き、関連する国際機関や民間団体等の助力を得ながら作成した政策方針文書。
    ウェブ:http://www.g8summit.go.jp/doc/pdf/0708_09.pdf
  3. 洞爺湖国際保健行動指針附表:
    G8諸国が国際保健についてどの程度の貢献を行っているかについてまとめた表。「行動指針」の附表として添付された。
    ウェブ:http://www.g8summit.go.jp/doc/pdf/0708_09_02_en.pdf

今回の「国際保健」にかかわる成果の最大の問題は、資金コミットメントがなかったことである。その結果、「指導者宣言」に盛り込まれた各種の政策的コミットメントは、実施にむけた保障のないものとなり、また、「行動指針」も、その名に反して、具体的な行動のための指針というよりは、国際保健の各分野の課題実施に関する提言を集めたものにとどまってしまった。

HIV/AIDS に関する成果とそれに対する評価は以下のとおりである。

  1. 普遍的アクセス目標の実現:
    この目標を達成する上で、「緊急性に関する認識」(sense of urgency) が必要であることは明記された。しかし、実際に「緊急性に関する認識」があるなら、この目標の期限までのあと2年半で、同目標の達成のための必要額をどのように拠出するかについてのプランが策定されるべきであるが、その策定は検討もされなかった。
  2. ハイリゲンダム誓約の達成期間:
    昨年のG8サミットで、三大感染症と保健システム強化に「当面」600億ドルを拠出する、という「ハイリゲンダム誓約」について、今次G8サミットでは、「5年間」で達成するという期限が定められた。しかし、国際機関等の試算によると、三大感染症と保健システム強化のために5年間で必要な資金は、最低でも1700億ドルである。600億ドルはその3分の1強に過ぎず、G8サミットの責任には遠く及ばない。さらに、今次サミットでは、「三大感染症」が「感染症」に、「保健システム強化」が「保健強化」に変わり、表現があいまい化している。
  3. HIV 陽性者の渡航制限の撤廃:
    当初の文案では、HIV陽性者の渡航制限を「緩和もしくは撤廃」(relaxing or eliminating)とされていたところが、複数の国の反対で「渡航への便宜」(facilitating travel)という表現へと変わり、HIV陽性者の渡航制限という人権の問題について、法律の改正を前提としない形になってしまった。

その他の課題の詳細については、日本の市民社会が作成した「スコアカード」(本書資料編 「資料16」)参照。

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